転職した人の理由を聞いたdodaの2025年版ランキングで、1位は「給与が低い・昇給が見込めない」。5年続けて同じ順位です。2位は「労働時間に不満」、3位は「個人の成果で評価されない」。この3つが、いまの転職の入り口になっています。
2026年に入っても、1位は変わりません。マイナビが2026年7月に聞いた「転職活動を始めた理由」でも、「給与が低かった」が29.4%で最多。前年に続いて1位でした。別の質問では、給与が転職の動機に関係している人が87.4%にのぼっています。
ただ、年代で見ると変わります。20代の1位は「労働時間に不満」で、給与は3番目に下がる。30代は「尊敬できる人がいない」が2位に入り、40代は「社内の雰囲気が悪い」、50代は「倒産・リストラ・契約期間の満了」が上がってくる。20代は時間、30代は人、40代は空気、50代は会社の先行き。同じ「転職したい」でも、見ているものが違います。
厚生労働省の雇用動向調査は、転職した人が前の職場を辞めた理由を、年齢別に出しています。ここで目立つのが「その他の個人的理由」。どの年代でも上位に来て、男性では全体の1位です。
分類できない理由がいちばん多い、ということです。逆に言えば、辞める理由の多くは統計に載らない。載せられない事情だということです。だから、こちらで相談を受けるときも、最初に聞くのは理由ではなく状況です。何が起きているかは、聞かないと分かりません。
2025年に転職した人の賃金を見ると、増えた人が4割、減った人が3割。全体で見れば、増えた人のほうが多くなっています。ただし、これを年齢別に見ると、49歳で逆転します。50代に入ると、減った人のほうが多くなる。60代では半数の人が減っていました。
「何歳でも動ける」は正しいけれど、「何歳でも上がる」は違う。50代の転職は、給与ではなく、時間や役割を取る選択になることが多い。この辺りは面談でもよく話すところです。
新しく仕事を探し始める人がいちばん多いのは、4月です。2026年は1月から9月までで、4月が522,095人で最多でした。2025年も4月が最多で、11月がいちばん少ない。冬のボーナスを受け取って、年度が変わるときに動く人が集まります。1月にも山があり、3月に辞められるよう1月から動き出す人もいます。
つまり、今が何月かで、動きやすさは変わる。募集の数も、ライバルの数も。時期を選ぶだけで、同じ経歴でも通りやすさは変わります。
2026年の調査でもきっかけの1位は給与のまま。給与が上がるのは40代まで。動く人が多いのは4月。どれも「いつ、何歳で動くか」の話です。自分の年齢と、いまの月を当てはめて読むと、次に何を準備すればいいかが見えてくると思います。
数字は、多いほうが正しいわけではありません。出どころがはっきりしていることのほうが大事で、この記事の数字は、厚生労働省の統計と、doda・マイナビの発表にもとづいています。調査によって聞き方が違うので、割合を横並びで比べないようにしました。