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仕事の中身の話

入社前に知っておきたい、労働条件の5つのこと

2026.10.12 / 解説 / 読了 6分 / 文:IforC 編集部
※写真はイメージです
面接では聞きにくいけれど、入ってから知ると損をする話があります。有給休暇、残業代、試用期間、社会保険、雇用形態。どれも法律で決まっているか、法律が深く関わっています。IforCが面談で毎回説明していることを、そのまま記事にしました。

1. 有給休暇は、条件を満たせば必ずもらえます

有給休暇は、会社が気前よくくれているものではありません。法律で決まっている権利です。

有給休暇は、会社が気前よくくれているものではありません。

雇入れの日から6か月、続けて働き、その間の全労働日の8割以上出勤していれば、10日の有給休暇が発生します。労働基準法39条に定められています。正社員だけでなく、アルバイトやパートでも、条件を満たせば付与されます。週の勤務日数が少ない場合は、日数が比例して減ります。

6か月で10日。その後は勤続年数に応えて増えていきます。1年半で11日、2年半で12日、3年半で14日、4年半で16日、5年半で18日、6年半で20日。これが上限で、それ以降は増えません。

そして2019年4月から、このうち年5日については、会社が必ず取得させなければならないことになりました。つまり、あなたが「使います」と言える日が、法律で守られています。

「うちは有給が取りにくい」という会社は、その時点で法律違反の状態にあります。面接で「有給は取れますか」と聞くのは、失礼な質問ではありません。

もう一つ、知っておくと役に立ちます。有給は、いつ取るかを自分で決められるのが原則です。ただし、会社が「この時期に取ってください」と指定できる場合もあります。繁忙期にまとめて指定される会社もあるので、入社前に「取り方は自由か、指定されるか」まで聞いておくと安心できます。

2. 残業代は、時間と割増率で決まっています

残業代は、会社の好意で出るものではありません。時間と割増率で計算されます。

1日8時間、週40時間を超えた分が時間外労働で、25%以上の割増が必要になります。月の時間外労働が60時間を超えた分は、50%以上です。この60時間超の引き上げは、中小企業にも2023年4月から適用されています。

深夜の扱いも決まっています。22時から翌朝5時までは深夜労働で、25%の割増が付きます。深夜に残業すれば、25%と25%で50%以上になります。

一度、金額を計算してみるといいでしょう。時給1,300円の人が、1日2時間の残業を月20日したとします。1,300円の25%増しは1,625円。それが40時間分で65,000円になります。月給にこの65,000円が含まれているのか、別で出るのかで、条件の見え方は変わります。

求人票に「みなし残業」「固定残業代」と書かれていたら、確認することは2つあります。何時間分なのか、そして、それを超えた分はきちんと払われるのか。何時間分なのかが書かれていない求人は、避けたほうがいいでしょう。

残業には、会社側の上限もあります。36協定という労使の取り決めで、原則は月45時間、年360時間までと決まっています。これを超える残業が常態化している職場は、それ自体が異常だと考えていいと思います。

3. 試用期間は「お試し」ではありません

試用期間という言葉には、どこか「本番前」の響きがあります。ですが、法的な扱いは違います。

まず、試用期間について、法律に定めはありません。期間の長さも、会社が決めています。多くは3か月から6か月です。

次に、試用期間中であっても、解雇には客観的に合理的な理由と、社会通念上の相当性が必要になります。労働契約法16条が定めています。本採用になったあとと、法的な扱いは変わりません。

採用から14日以内の解雇については、解雇予告が不要とされています。労働基準法21条です。ただし、これは「30日前の予告が要らない」という意味でしかありません。自由に解雇できる、ということではないのです。

試用期間中の給与や社会保険が、本採用後とどう違うのか。そこは面談の場で確認しておきたいところです。

逆の立場の話もしておきます。試用期間中に自分から辞めたいと思ったとき、法律上の手続きは本採用後と同じです。会社の就業規則に「試用期間中は14日前に申し出る」といった定めがある場合は、それに従います。

4. 社会保険に入ると、手取りは減ります。でも、守られます

社会保険に入ると、給与から保険料が引かれます。手取りは減ります。ここだけを見ると、損をした気分になるかもしれません。

ですが、引かれているのは、自分のための保険料です。健康保険は、病気やケガの医療費を支えてくれます。厚生年金は、将来の年金になります。雇用保険は、失業したときの給付と、失業中の生活を支えます。

加入の条件は、会社の規模と、働く時間で決まります。条件は法改正で見直されてきました。詳しくは厚生労働省のサイトで確認してください。会社に聞いてもいいと思います。

短時間で働く人の中には、加入しないことを選んでいる人もいます。扶養に入っていて、自分で働く時間を抑えているケースです。その判断は人それぞれですが、判断するために条件を知っておく必要はあります。

面談で「社会保険は入れますか」と聞くのは、まったく失礼ではありません。むしろ、聞くべきことです。

5. 「業務委託」は、雇用ではありません

求人票の雇用形態には、正社員、契約社員、パート・アルバイト、そして業務委託があります。

このうち業務委託だけは、性格が違います。会社と対等な契約であって、雇用ではありません。だから、会社が守るべき労働法のルールが、そのままは当てはまりません。

労災保険や雇用保険は、原則として自分で備えることになります。ただし労災については、業務委託の人でも加入できる「特別加入」という制度があります。確定申告も自分で行います。

報酬は給与ではなく、月によって金額が動くこともあります。働き方の自由は大きいですが、保障は自分で用意します。正社員と比べるときは、金額だけでなく、この違いを見たほうがいいでしょう。

4つの雇用形態を、保障の面で並べてみます。正社員は雇用が安定し、社会保険も福利厚生も厚いです。契約社員は期間が決まっていますが、社会保険は同じように加入します。パート・アルバイトは働く時間で加入条件が変わります。業務委託は、雇用ではありません。

見分け方も一つ書いておきます。業務委託と言いながら、実際には会社の指示で時間を決めて働き、他の仕事ができない状態なら、それは雇用と変わりません。そうした働かせ方は、法律で問題になります。

面談で確認しておきたい5つ

最後に、確認することを5つだけ挙げます。これだけ押さえておけば足ります。

聞き方の例
有給休暇
入社して何か月で、何日つくのか
残業
月に何時間くらいあるか。固定残業代なら、何時間分か
試用期間
何か月か。その間の給与と社会保険はどうなるのか
社会保険
入社初日から加入できるのか
雇用形態
何か。業務委託なら、労災と確定申告はどうするのか

これらは、入ってから聞くと「もっと早く言ってよ」となる話です。面接は、会社があなたを選ぶ場であると同時に、あなたが会社を選ぶ場でもあります。質問することは、わがままではありません。

よくある3つの質問

面接で残業のことを聞くと、印象が悪くなりませんか。
聞き方によります。回数を問い詰めるのではなく、仕事の量を知る質問にすると自然です。「繁忙期はどのくらい忙しいですか」「残業は月にどのくらいありますか」は、働く意欲のある人なら普通に聞きます。書かれていないことを確認するのは、誠実な態度です。
試用期間で本採用にならなかったら、どうなりますか。
本採用の拒否は、解雇と同じ扱いになります。会社には、客観的に合理的な理由と、社会通念上の相当性が求められます。理由の説明もなく終わらせることは、法律上は簡単ではありません。
業務委託で働きながら、社会保険に入れますか。
業務委託は雇用ではないので、勤め先の健康保険や厚生年金には入れません。自分で国民健康保険と国民年金に加入し、確定申告をします。働き方としては自由ですが、手続きは自分でやることになります。

IforCの面談では、求人票に書かれていないことも、このあたりまでお伝えしています。

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